主な取扱分野

悪徳商法・詐欺被害についてのご相談と解決例

先物取引のトラブル①

ご相談内容

 80歳で1人暮らしの母は年金で生活していますが,海外先物オプション取引の業者から勧誘を受け,2週間ほど前に1500万円のお金を預けました。母の手許には,業者と交わした契約書,業者がオプション取引の内容を説明した資料,母がオプション取引の内容と損失を受けるリスクを承知で申し込む旨を確認した書面などがありますので,形としては母が内容を理解した上で契約した体裁になっています。しかし,母は高齢で,最近は認知症ぎみで,こんな難しい内容を理解して各書類にサインしたとはとても思えません。お金を取り戻すことはできないでしょうか。

弁護士の回答・対応

 海外先物オプションを含め,先物取引業や先物取引の仲介業そのものは,違法ではありません。しかしながら,これらの取引はうまく行けば大きな利益が得られますが,失敗すると大損害を被るおそれがあるハイリスク・ハイリターンな取引です。また,取引の仕組みは複雑で,素人がきちんと理解するのは相当難しく,安易に手を出すのは危険です。そのため,業者は,顧客に適合しない勧誘をしてはならず(適合性の原則),取引に伴うリスクについても事前にきちんと顧客に説明しなければなりません。
 ところで,本件では,一応,業者がきちんとお母様に説明したとの体裁は整っているようですが,そもそもお母様は80歳と高齢である上,収入も年金のみですから,本件の勧誘は適合性の原則に反する可能性が大きいといえます。また,ご高齢のお母様が,本当に内容を理解して書類にサインされたのかも極めて疑問です。
 弁護士は,お母様ご本人と面談したところ,ご高齢のためか理解力・判断力は相当衰えているように見受けられましたので,その場で,簡易な認知症のテストを実施しました。その結果からも,お母様は,契約内容も取引のリスクもよく理解しないまま,いわば,高齢で理解力・判断力が乏しくなっている状態につけ込まれ,業者に言われるままにサインしたにすぎないとの疑いが強まりました。他方,契約はお母様が1人で行っており,署名押印もお母様自らが行っておられることなど,立証上,不利な面も相当あろうと思われるケースです。
 結局,弁護士は,本件は,お母様の側に不利な事情もあるが,業者に対し,適合性原則違反による債務不履行ないし不法行為として損害賠償請求,詐欺による契約の取消,錯誤による無効を主張して返金を求める余地があると判断し,すぐに内容証明を作成し,業者に返金を求めました。そうしたところ,業者と裁判外での交渉が進み,業者との和解によって約1000万円が返金されました。


先物取引のトラブル②

ご相談内容

 数年前,ある業者に商品先物取引売買を委託し,3年前の時点で預り証拠金余剰金が約60万円あるので清算したい旨の通知が業者からありました。その後,清算をお願いしているのですが,その業者は業績が悪化して廃業しています。会社の事務所自体は構えているようで,担当者が出るのですが,社長がいないとかお金がないので待ってほしいとか,のらりくらりと引き延ばされて,いまだにお金を返してもらっていません。何とかならないでしょうか。

弁護士の回答・対応

 顧客に帰属する証拠金等の資産は,商品取引受託業務廃止後も,会社としてはまず顧客のために確保しなければなりません。調査したところ,この会社(業者)は,2年前に廃業し,商品取引所法に基づいて,顧客から預かっている財産を遅滞なく返還する旨の公告も出しており,休業状態ではあるが,まだ会社自体は消滅していないことが分かりました。つまり,この会社は,休業後に会社の資産状態が悪化しているにもかかわらず,解散も清算手続も行うことなく,顧客に返還すべき資産が減少するのを漫然と放置し,余剰金返還手続を怠っていることが分かりました。
 そこで,弁護士は,内容証明郵便で,この会社と代表取締役に対して余剰金の返還を求めましたが,これに応じないため,訴訟を提起しました。そうしたところ,相手側の資産状態は相当悪くなっており,めぼしい資産はありませんでしたが,3回目の期日に,全額の支払義務があることを認めた上で,そのうちの30万円を返還することで和解が成立し,その1か月後に30万円が返金されました。
 この事例では,幸い,相手方の所在も分かりましたが,時間が経過すればするほど証拠も散逸し,相手方の所在すら判明するのが困難となります。類似のケースでお困りの方は,少しでもお早めにご相談いただくことをお勧めします。


未公開株購入のトラブル

ご相談内容

 知人から,親戚が経営する有望な会社があるので株主にならないかと誘いを受けて,その会社のオフィスで,社長と会って説明を受けました。社長の話では,開発中の商品の売れ行きがすごく,2年後には必ず上場できるということで,株主も会社がセレクトした人に限っているということでした。その会社の商品が雑誌などで紹介された記事も見せられて,すっかり信用して,15株を合計300万円で買いました。ところが,3年経っても上場する気配はありません。私は,会社の経営には関心がなく,投資のつもりで買ったのですが,お金を取り戻せないでしょうか。

弁護士の回答・対応

 実際には上場の見込みなどないのにあるかのように説明され,株式を買ったのであれば,詐欺による取消や不法行為による損害賠償を請求し,お金を取り戻せる可能性があります。ご相談者は,その会社から株主として扱われており,会社から送られてきた決算資料を弁護士が見たところ,当時から経営状態は悪く,上場など見込める状況ではないことが分かりました。弁護士は,さっそく,内容証明郵便で返金を請求しましたが,相手方会社から拒否されたため,訴訟を提起しました。そうしたところ,相手方会社とは,第2回目の期日に,約半年後に全額返金するとの内容で和解が成立し,約束どおりの期日に300万円全額が返金されました。


競馬必勝法会員料のトラブル

ご相談内容

 携帯電話のサイトで知った業者に電話して話を聞いたところ,「中央競馬の調教師や騎手が馬券を買いたいが,開催日には中央競馬の馬券が買えないので,それに代わって買ってあげるバイトがある。当社の教える買い目のとおりに買えば,競馬関係者の予想だから的中する。バイト料は的中した払戻金の中から払うので,まず登録料50万円を払ってほしい。」と言われ,登録料として50万円を相手方指定の口座に振り込みました。競馬開催日になると,実際に業者から電話がかかって来て,言われたとおりの馬券を買ったのですが,まったく当たらず,大損してしまいました。業者に抗議してお金を返すよう請求しましたが,2万円しか返金してくれません。何とかなりませんか。

弁護士の回答・対応

 中央競馬の騎手や調教師が中央競馬の馬券を買うことも,馬券購入の代行業も競馬法で禁止されて罰則が定められています。ですから,そもそも,その業者がそのようなことを商売としているのであれば,業務自体が違法です。相談者は,ご存じなかったようですが,仮にそんなことを知っていれば,そんな話に乗らないでしょう。他方,実際には業者がそのような業務をしていないのであれば,嘘っぱちを並べていることにほかなりません。いずれにせよ,業者は,意図的に相談者を誤信させてお金を出させているわけであって,詐欺を理由とする契約の取消し,不法行為による損害賠償責任という構成で返金を請求できます。
 業者の名前等については,相談者の携帯電話に残っていた業者からのメールを頼りに調査し,すぐに弁護士が内容証明郵便を業者に送って返金を請求したところ,業者から連絡があり,交渉を進めました。そうしたところ,裁判外で和解が成立し,約1か月後には30万円が返金されました。